【世田谷区】たとえSDGsを知らなくたって、気に入ったモノを長く愛し大切にしたいと思うのが人の常。金継ぎ教室で大切な器がよみがえる喜びを♪
今回は、世田谷区桜にあるアトリエ・パセリセージの「こだわりの学び」の中から、「クラシカル金継ぎ」のレッスンをご紹介します。
金継ぎとは➡割れたり欠けたりした器を漆で継ぎ、金や銀などで上化粧し修復する、室町時代から続く日本古来の伝統工芸。
金継ぎプリュス主催の藤野佳菜子先生とは、昨年、神奈川県の葉山の古民家で開催された「現代風金継ぎ1Dayレッスン」でお世話になったご縁で取材させていただくことになりました。
大切な器や思い出深い器が欠けたりヒビが入ったりした時、泣く泣く捨てたり、もしくは捨てられなくて食器棚の奥にしまってあるなんて事ありませんか?
それが、自分の手で蘇えらせることが出来るんです。もうこれからはお気に入りの器が欠けても捨てないでくださいね。こちらのレッスンは月1回全5回のコースとなっていますが、そのうちの2回目にお邪魔しました。
◾︎漆の特性
まず知っておかなければならないのは漆の特性。漆は温度23℃以上湿度70%以上の環境で硬化するという特性があります。
固めると聞くとつい”乾燥”させると思ってしまいますが、漆は空気中の水分と反応して硬化する性質のため、室(ムロ)と言って、木箱やダンボールに濡れ布巾などをかけることで湿度と温度を保った状態にして、作業中の器などを中に入れ漆を固めます。
※室(ムロ)には空室(からムロ)と湿室(しつムロ)があります。
>>>>それでは簡単に工程を説明します>>>>
①ヒビが入ったら
ヒビ(ヒビのことを正式にはニュウと言う)の部分に、生漆を染み込ませ湿ムロに1週間入れる。これを3回繰り返す。
②欠けてしまったら
磁器は薄めた生漆を塗り30分湿ムロに入れ、錆漆を埋める。陶器は錆漆で欠けた箇所を埋める。そのあと湿ムロに2日~1週間を2、3回繰り返す。乾いたらカッターで余分な部分をけずりサンドペーパーでヤスって整え、生漆で下塗りして湿ムロで2日置く。
↓こちらの方は漆器の繕いをされていました。磁器や陶器より漆が付きにくいのが難しいポイント。
③割れてしまったら
陶器は麦漆で接着。磁器はガラス用黒漆で接着。湿ムロに30分入れたあとマスキングテープなどで固定し、再び湿ムロで3週間。
こちらの方は割れてしまったコーヒーカップの取っ手を継いでいます。
接合部分がズレないよう、先生と一緒に4本の手で接着します。
④金属粉を蒔(ま)く
金彩は赤い漆、銀彩は黒い漆を薄~く塗り、湿ムロに3,40分入れ蒔き筆で金属粉を蒔く。余分な粉は払い落とし真綿でなでるように磨く。
高価な金粉、余った分は戻します。鼻息で飛ばさないようマスクが役に立ちました(笑)
真綿で表面の粉だけをなでる感覚で磨きます。
お皿の裏面を見せていただくとこんな感じ。しっかりと硬化させ仕上がったら安心して使うことが出来ますね。
以上、漆の作り方や注意事項などの細かいところは省いた簡単な説明でしたが、手間のかかった分だけさらに愛着も湧いてきます。
レッスン後の生徒さんのお茶とお菓子、ご相伴にあずかってしまいました。
もし、時間的な都合などで全5回コースに通えない方は、ほかの場所で1dayレッスンも開催されているのでチェックしてみください。
>>>>金継ぎプリュスのInstagram
うすうす気づいている方もいらっしゃると思いますが、お教室が開催されているこちらのアトリエ、センスのいい素敵なものに囲まれてなんとも幸せな空間の「パセリセージ」。今年設立20周年を迎えます。
2021年4月に奥沢から世田谷区桜2丁目に移転、大蔵ランド前バス停から徒歩4分、東急世田谷線 上町駅から徒歩10分ほどの住宅街にあります。
器やアクセサリー、ポストカードなど、様々なアーティストの作品や、アンティーク雑貨などが展示販売されています。デレク・ジャーマンの本も!
そして奥のお部屋に行くと…。
もう宝の山と言うか、ヨーロピアンなアンティークや手作りアクセサリーなど、ハートをわしづかみにされるワンダーランドに迷い込むことが出来ます。
一度では紹介しきれないので、アトリエについては後日あらためてご紹介させてください。
「パセリセージ」で開催されているレッスン
・大人の水彩ぬり絵(アンティーク風仕上げ)
・白石雪妃 モダン書画の学び 1DAYレッスン
・ビンテージアート・ドローイング(鉛筆デッサン)
・自分で染めて作る植物
・クラシカル金継ぎ
・お料理
・キャンドル
・アニマルドール造形教室
など様々なお教室も開催されています。
この数年なかなか思うように行動できなかった時期もあったと思いますが、春めいてきた今日この頃、新しい習い事、趣味を見つけに一度こちらのアトリエをのぞいてみませんか?
☆アトリエオーナーの三上様・藤野先生・金継ぎのクラスの生徒さん、このたびは取材のご協力ありがとうございました☆
パセリセージはこちら↓